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QEDフリーss頂いてきました!!

神無月さんのやってらっしゃるQ.E.D.サイト<新月館>様でフリーssを頂いてきました…!


水原さんが、可愛くて可愛くて可愛くて


どうしようかと思いました。


燈馬君の言動にも、萌え、というか、机を無言でバンバン叩いて身を捩りたくなる何かがあります(実際は周りに机が無かったのでPCの前でニヤけを必死で押し殺すことに尽力していました)

続きを読むで折りたたんであります。
未読の方は是非、れっつくりっく…!(鼻血)








 藤の宴




「フジ属は、マメ科のつる性の落葉木本です。総称で”藤”とされてますが、それと同時に、フジ属の一種であるノダフジの別名にもなってるんです」

「フジ科の、マメ性の、つる??」

「‥‥合ってるようで、微妙にずらさないでください、水原さん」

「似たようなもんじゃん。あ、ねえねえ燈馬君、それで、木本(もくほん)って何?」

「樹木とかそういう意味です。つまり落葉木本というのは、”定期的に葉を落とす樹木”っていう事ですね」

「ほー、なるほどね~」


既に聞きなれた可奈と燈馬のそんな会話を聞きながら、すぐ後ろをついて歩いていた水原夫妻は密かに顔を合わすと、少し呆れたように二人して笑う。


「‥‥‥それにしても、今日は気持ちいいくらいに晴れたな」

「本当。お父さんがちょうどお休みの日で良かったわね」

「風も穏やかだし、五月らしく澄み切った青空ですね」

「おまけに、藤の花は満開!これは間違いなく、日頃の行いのたまものね♪」


藤祭りへと来ていた水原一家三人と燈馬は、揃って満足げに頷いた。



―――――‥五月初旬。

世間はゴールデンウィークに入り、観光名所は人で溢れかえっていた。
藤の見ごろを迎えた、都内の藤の名所であるここ、自然公園。
青空を埋め尽くすように、優しい淡紫色の藤の花が、一斉に人々の頭上で咲き誇っていた。



* * * * *



「‥‥あれ?母さん、父さんと燈馬君は?」


目にとまった可愛い土産物を手にとって眺めていた可奈は、ふと気付いて隣にいた母へと声を掛けた。


「歩き疲れたって言って、向こうのベンチで休んでるわ」

「父さんはともかく、燈馬君まで?‥まったく‥」

「座りたがった父さんに付き合ってくれてるんでしょ」

「どうだかね~。あいつも、てんで体力ないんだから‥」

「あら、どこ行くの、可奈?」

「ブラブラしながら、飲み物でも買ってくる」

「‥‥そう。はぐれないようにね」


きっと、その飲み物は可奈自身の為ではないだろう事を思い、娘の後ろ姿を眺めながら、小さく微笑った。



* * * * *



「えっと‥‥、あ、いたいた」


可奈は二本のペットボトルを抱え、しばらく辺りを見渡すと、少し開けた広場の隅にあるベンチに座った二人を見つけた。
まだ距離はあるが、二人でのんびりと話をしているのが見える。
不意に悪戯心が浮かんで、可奈は遠回りをしながら二人の背後へと回った。
二人のすぐ後ろは、藤の花が長く垂れ下がっていて、暗がりが出来て実に好都合だった。

(燈馬君の頬に、後ろから冷たいペットボトルくっつけたら、きっと驚くわよね♪)

彼の驚く姿を想像すると楽しくて、声を殺してくすくす笑うと、ゆっくりと忍び寄っていった。
あと、もう少し‥‥。



「可奈のやつ、姿が見えないが、迷子になってるんじゃないだろうな?」

「大丈夫ですよ。水原さんはそういうトコ、しっかりしてますから」



(!?)

聞こえて来た二人の会話の話題が、自分だった事に驚いて、可奈は足を止めた。



「ははは!父親の俺より、燈馬君の方が可奈の事信用してるってのも、おかしな話だな」

「それも大丈夫ですよ。娘さんの事をちゃんと心配するいいお父さんですから。水原警部は」


燈馬の言葉を嬉しく思い、幸太郎は豪快に笑った。


「それで?ゴールデンウィークは、まだどこかに行く予定あるのか?」

「そうですね。とりあえず水原さんに、映画と、それとはまた別の日にクラスメートと遊ぶ予定があるらしくて、それにも誘われてます」

「‥‥もし、強引に誘われてるなら、ちゃんと断ってもいいんだぞ?」

「え?」

「可奈が、燈馬君が最近忙しそうにしてると言っていた。‥‥だがその割に、可奈は頻繁に遊びに誘ってるようだし‥。もし‥」

「水原警部」

「ん?」


名前を呼ばれて隣を見やれば、燈馬は穏やかに笑って、青空を見上げた。


「ご心配ありがとうございます。でも、自分の事は支障のないようにちゃんとやってますから。無理をしてるなんて事は、絶対に、ありません」

「ならいいが‥」

「それに、自分の事ばかりで引きこもりがちな僕を心配して、水原さんは外に連れ出してくれてるんだと思いますし‥」

「‥‥‥」


幸太郎は内心思った。
あの可奈の事だから、きっとそれもあるだろうし、‥‥それだけという訳でも‥ないだろう、と。


「むしろ、感謝してるんです」

「‥‥そうか」

「はい。本当に‥」


目を細めた燈馬の脳裏に浮かぶのは、‥‥彼女の明るい笑顔‥‥。


「いつも、誘ってくれて嬉しいと思ってます。それに、水原さんと一緒にいる時間は、とても楽しいですから‥‥」



(‥‥‥っ)

可奈は咄嗟に手を口に当てて、こらえた。
息が詰まって‥‥、胸が震える。
こみ上げてくる感情が、視界を滲ませていった。

(‥‥あれ?)

抑えきれない心に戸惑って、可奈はすばやく身を翻し、その場を離れた。
二人に気付かれないように、静かに距離を置いてようやく立ち止まった後も、胸の鼓動は早く高鳴ったままだった。



* * * * *



可奈は一人、露店の前で途方に暮れていた。
ぼんやりと土産物を眺めながら、燈馬の言葉が頭から離れてくれない。

(‥‥‥どうしよう)

そんな可奈の姿を見かねた露店のおにいさんが、苦笑しながら話しかけて来た。


「なあ、お嬢さん、ちょっと前も来て、それ手にとって見てたよな?そんなに迷ってんだったら、後で後悔しないように買っていったらどうだい?」

「うるさぁいっ!!こっちだって、どうしようか真剣に迷ってんだからちょっと黙ってて!!」

「‥はい、すみません‥」


(ホンットに!!あんな事聞いて、一体どんな顔して会えってのよ!!あの馬鹿!!)


「‥‥そんなにそのお土産買うの、迷ってるんですか??」


「―――――っ!!」


声にならない叫びを上げて、可奈は硬直した。
とても自然に隣へと並んできた気配を感じて、思わず顔を背ける。
誰よりも、今、この相手にだけは出くわしたくなかったのに。


「??‥水原さん、どうかしたんですか??」

「う、ううん。何でもない。それより、燈馬君はなんでココに?」

「水原さんがなかなか戻って来ないから、探しに来たんです。‥‥で、なんで向こう向いたままなんですか??」

「なんでって‥。‥‥あ、あそこの藤が、凄く、綺麗だから‥?」

「なぜそこで疑問形??‥‥まぁ、いいですけど。あ、すみません、それください」

「はいよ、毎度あり~!」

「?」

「どうぞ」


ポカンとして、可奈は思わず振り向き、燈馬に差し出されているものを凝視した。
藤の花をかたどった、小物用の綺麗なステンドグラス。
それは、今の今まで可奈がぼんやり眺めてしまっていた、あの土産物だった。


「‥‥あれ、違いましたか?これじゃなくて、あっち?」

「違うっ!あ、違うってそっちじゃなくて、違くないけど、そうじゃなくて、問題が違うって事よ!」

「実は欲しくなかったとか??」

「アホか!!!」



‥‥‥‥‥。


とりあえず、露店の前で騒ぐのも営業妨害になってしまう為、二人は近くのベンチへと移動した。
その間も、可奈はむっつりと押し黙ったままだった。
困ったように、燈馬はちらりと可奈の方へと視線を送ると、彼女がポツリと呟くのが聞こえて来た。


「ちょうだい」

「へ?」

「そのお土産、私にくれないの?」

「あ、いえ、はいどうぞ」

「‥‥‥」


燈馬から手渡されたステンドグラスを高く掲げて、遠く抜けるような青空を透かして眺めた。
そして、笑って小さく一言零した。


「‥‥ありがと‥‥」


その可奈の表情に、安堵しながら、嬉しそうに燈馬が微笑った。
再び高鳴る胸の鼓動を抑えるように、可奈は慌てて持っていたペットボトルを差し出す。


「これは、お礼!」

「え、‥‥ありがとうございます。‥‥すごい結露ですね。買ってどれくらい経つんですか??」

「う、うるさい!文句言わないっ!!」




どこまでも広がっていくような青い空と、まるで迫ってくるような淡い紫の藤の花。
それらに囲まれ、燈馬と可奈は並んでベンチに座り、そして眺めた。



「燈馬君。ここ、夜は綺麗にライトアップしてるんだって」

「じゃあ、また夜に来ましょうか」

「‥‥‥うん」






fin
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Author:runrun
ノーマルカップリング大好物のオタク。
Q.E.D.~証明終了~(燈可奈)と鬼太郎を主軸に、好きな漫画やアニメ等のらくがきを描き散らしてます。
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